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通訳者の採用をするときに最も苦労するのが、その人の実力を判定する方法です。
履歴書や面接で実力がわかればよいのですが、そう簡単なものではありません。
他の職種でも当然同じ問題はあるでしょうが、こと通訳者という職業に限っては、実力が判定しづらい特有の理由があります。
例えば、オーストラリアではNATTIという国家資格がありますし、アメリカではATA(American Translators Association)という機関が認定試験を実施しています。
このような通訳に関する資格が日本には存在しません。
比較的メジャーな国家資格として「通訳案内士」が存在しますが、これは訪日外国人観光客を外国語でガイドするためのものです。資格の名称に「通訳」という文字が入っており紛らわしいのですが、通訳力を判定する資格ではありません。
また、「TOEIC」や「実用英語技能検定(英検)」などがありますが、これらはあくまで英語力を証明するためのものです。英語力の高さと通訳力の高さは一致するものではありません。
当然、語学力の高さが通訳業務にとってプラスになるのは間違いありませんが、「語学力が高い=通訳力が高い」とは限りません。
その証拠として、片方の言語が非ネイティブでも優秀な通訳者はたくさんいます。
また、ダブルネイティブが必ずしも優れた通訳パフォーマンスを発揮するとは限りません。
採用担当者が注目するのは、過去の実績です。
職務経歴書を見れば、これまでどのような案件に関わってきたかはわかりますが、過去の案件でどれだけのパフォーマンスを発揮したかはわかりません。
著名人や大企業、国際的なイベントの通訳経験が書かれていたとしても、そこでハイレベルな通訳を提供できたのかどうかは不明です。
逆を言えば、通訳者の立場を考えると、高いパフォーマンスを発揮できなかった現場経験も職務経歴書に書けてしまうのです。
その実績を見た採用担当者が次の依頼をする→実績が増えて依頼が増える…の繰り返しで、「中身の伴わない実績」が作られてしまうこともありうるのです。
ウソのような話かもしれませんが、単発案件を多くこなす職業柄特性のせいか、実際にある話です。
多くの通訳エージェントや派遣会社は、通訳者の実力を把握しないまま派遣しています。
なぜかというと、上記に述べた通り、本当の実力を測る方法がないからです。
語学力の目安、通訳経験年数、過去の実績などから推測する程度のことしかできないのです。
通訳コーディネーターが、通訳経験がないどころか外国語がまったく扱えないというケースもあるようです。
通訳エージェントのように、通訳者を専門に扱う企業は、このようなリスクは少ないと思われますが、通訳以外の一般職種も扱うような派遣会社だとそのようなケースもあるようです。
クライアントにとって大きなリスクは、業務開始してからしばらくの日数が経たないと「当たり外れ」がわからないことです。
特に、短期のプロジェクトでは、新しい通訳者を手配する時間的余裕がないため深刻な痛手になります。
それは、「現場を共にする」ことです。
同じ通訳者には、本当の実力は隠せません。
そのため、信頼できる通訳者から紹介された通訳者であれば、相応の実力を持っていると確信してよいでしょう。
ヘンな人を紹介してしまったら、紹介者本人の信頼が失われてしまうからです。
また、クライアントからのフィードバックも大いに参考になります。
クライアントは、言語力や通訳の正確性はわからなくとも、「自分の意思をしっかりと伝えてくれた」、「相手の言葉を正確に訳してくれている」ことは肌で感じられるものです。
本当に信頼できる人・サービスは、人づてなのかもしれません。
AIやインターネットが発達した現代でも、それは変わらないと思います。
代表の吉田は、自身が通訳者として活動し、通訳業界に長く携わってきました。
その間、横のつながりを大事にし、大手通訳エージェントにはない独自の人脈を築いています。
公募は最小限に留め、代表の吉田が直接面識のある通訳者、および登録スタッフの推薦を受けた通訳者を採用しています。
この制度により、能力・特性をよく把握したスタッフのみを選定しています。
ご入用の際はぜひご相談ください。
INTERP合同会社代表。28歳で通訳者としてのキャリアをスタート。50以上の職歴と複数の小規模事業の起業経験を通じて培った実務力を活かし、通訳にとどまらず、国内外のビジネスシーンで包括的な支援を提供してきました。「海外ビジネスの円滑化」と「関係者全員の利益と成長」を理念に掲げ、近年は人材育成に注力し、日本経済の活性化に微力ながら寄与したいと考えています。横浜市と米国ダラスで幼少期を過ごし、成人後は主に東京都、北海道、豪州シドニーに在住。2023年に家族と共にマルタ共和国に移住。
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