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フリーランス通訳者の皆さんは、普段どのようにして仕事を探していますか?
近年ではインターネットが発達し、LinkedInやLancersなどのプラットフォームを活用して、発注元と直接つながる個人も増えています。
しかし、発注元との直接契約は労力とリスクが伴います。
条件交渉、料金設定、見積書や請求書の作成など、すべて自分でこなさなければならず、メインである通訳業務以外に雑務が多く発生します。
また、支払いの遅延や契約条件などのトラブルが発生した場合、間に入ってサポートしてくれる存在がいないので、すべてを自力で解決しなければなりません。
そのため、実際には、大半の通訳者がエージェント(派遣会社を含む)を通じて仕事を受けています。
フリーランス通訳者として活動していくに当たって、エージェントと良い関係を築いていくことは非常に重要です。
特に意識すべきは、以下の2つです。
1.良いエージェントを選ぶこと
2.エージェントに選ばれる通訳者になること
本記事では、前編として「良いエージェントの選び方」についてお伝えします。
筆者は、通訳業界において長年、フリーランス通訳者として、そしてエージェントとして、両方の立場からこの業界に携わってきました。
その経験を通じて培(つちか)った知見をもとに、現場の実情に即してお伝えします。

日本国内だけでも、通訳を専門とするエージェントは数多く存在します。
また、他の業種をメインに扱いながら通訳者も取り扱うエージェントも多く、海外も含めれば膨大な数に上ります。
無数にあるエージェントの中から、長く信頼してお付き合いできるエージェントを見つけることは、フリーランス通訳者として長く活動していくために重要です。
ここでは、「良いエージェントを見極める」ポイントを3つお伝えします。
ひとつずつ見ていきましょう。
フリーランス通訳者は通常、案件ごとにエージェントと契約を交わします。
その際、契約内容についてどれだけ丁寧に説明してくれるかが一つのチェックポイントです。
通訳者の中には、法律が苦手な人が少なくありません。
契約書をよく読まずにサインしてしまう方も多いでしょう。
そのような状況を逆手に取り、内容をほとんど説明しないままサインを求めるようなエージェントは不誠実であると言えます。
最低でも、契約形態(派遣契約か請負契約かなど)、時間外業務や土日祝日の扱い、経費の支払い条件(交通費・宿泊費・日当など)など基本的なポイントだけでも説明があるべきでしょう。
契約内容についてわからない点があれば、担当者にぜひ積極的に質問してみてください。
誠実なエージェントであれば、素人にもわかりやすく説明してくれるはずです。

「来週からの案件が直前でキャンセルになり、スケジュールが空いてしまった。もっと事前にわかっていれば、別の仕事を入れられたのに」
このような不満は、フリーランス通訳者の間で驚くほどよく聞かれます。
こうしたトラブルは、キャンセルポリシーがしっかり設けられていれば防げるものです。
キャンセルポリシーの基準は会社によって異なりますが、一般的には、当日・前日のキャンセルは100%、業務開始日から1週間前のキャンセルは75%程度が補償されます。
しっかりしたエージェントであれば、キャンセルポリシーをクライアントと取り決め、同じ条件が通訳者にも適用されます。
このようなキャンセルポリシーを設けていないエージェントは、少なくありません。
フリーランス通訳者にとって、スケジュール管理は最重要です。
身体は一つなので、一つの案件を受けていたら、他の案件は断らざるを得ません。
自己都合でないキャンセルが発生した場合に、相応の金額が保証されるポリシーがあるか、契約前に確認しておきましょう。

エージェントの中には、通訳専門ではなく、さまざまな業種を扱う会社もあります。
そのようなエージェントでは、担当者が通訳者という職業に対してじゅうぶんな理解を持ち合わせておらず、トラブルやパフォーマンス低下につながることがあります。
例えば、通訳業務では、資料やアジェンダが事前に渡されることが通例です。
内容が分からなければ正確な通訳はできません。
詳しい業務内容やエンドユーザーの情報も、可能な限り事前に仕入れておきたいところです。
会議であれば、出席者のおおよその人数、所属企業、役職、会議を開くことになった背景や目的などがわかれば全体像がつかめます。
また、通訳者にどのような立ち回りを期待しているのか(純粋な言語変換だけか、それとも社内の事情やこれまでの経緯を理解した上での調整を含むのか)など、事前情報が多いほど、当日のイメージが湧きます。
これら事前情報の重要性をエージェントが理解していないと、必要な情報が共有されないまま当日の通訳に臨むことになってしまいます。
通訳者がパフォーマンスを発揮できるよう、安心して業務に専念できる環境を整えてくれるエージェントは心強い存在になります。
今回は「良いエージェントの選び方」について3つの視点からお伝えしました。
また、エージェントの規模に関わらず、信頼できる担当者がいるかどうかが重要なポイントとなるでしょう。
良いエージェントを見極められれば、案件の質・量も安定し、メインである通訳業に専念できる環境を整えられます。
ぜひ、今回ご紹介した3つのポイントを意識して、ご自分に合ったエージェントを見つけてください。
次回の記事では、後編「エージェントに選ばれる通訳者になるために」についてお伝えします。
INTERP合同会社代表。株式会社 S.H.C. Collaborationグローバル教育社外顧問。横浜市と米国ダラスで幼少期を過ごす。家族との時間とワークライフバランスを大切にするため、現在はマルタ共和国を拠点にリモートで経営を行っている。
2011年より通訳者として活動を開始し、現在は国際イベントと人材育成に注力。海外ビジネスの円滑化を支援するため、セミナーや情報発信にも積極的に取り組んでいる。
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