通訳者の現場~国際的スポーツイベントへの参画~

通訳者の現場~国際的スポーツイベント~

2021年、4年に1度開催される国際的スポーツイベントが東京で開催されました。
弊所も微力ながらこのイベントに参画させていただきました。

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公式スポンサーの英国企業に、通訳人事管理サービスを提供

弊所は、イベントの公式スポンサーである英国の発電機レンタル企業に対して、サービスを提供しました。
規模が甚大なプロジェクトであったため、すべてのエネルギーを注力する必要がありました。
この期間は他の案件はすべてお断りし、私自身、同社と1年3か月間という長期のフルタイム契約を結びチームの一員としてプロジェクトに没頭しました。

私は通訳統括という立場で、通訳者の人事管理を一任させていただきました。
与えられた課題は、オフィスおよびスポーツイベント各会場の通訳者の調達。
イベント自体の規模が巨大なため、必要とされる通訳者の数も尋常ではありませんでした。
通常のイベントでは開催期間が3~4日程度、必要とされる通訳者も10名を超えることはあまりありません。
本イベントにおいては、開催期間だけでなく準備期間から多くの通訳者が必要であったため、期間は3か月~1年、MAX時に稼働する通訳者は70名以上にも上りました。

クライアントである英国企業は日本でのビジネスになじみがありませんから、まずは通訳者を探すところから始まる、という文字通りのゼロスタートでした。
派遣会社2社の力もお借りし、募集・選考・採用・契約・トレーニング・フォローアップまで、1名体制で一気通貫で行いました。

コロナ渦の中で求められたイレギュラーな対応

2020年に開催が予定されていたこのイベントは、残念ながらコロナの影響で1年の延期を余儀なくされました。
コロナは収束する気配がないどころかますます勢いを増し、開催直前までイベントが本当に開催できるのかわからないまま準備期間が刻々と過ぎていきました。
ただでさえ前例のない規模のイベントであるうえに、コロナによってイレギュラーの対応を求められ、関係者全員が未知の領域の中で手探りで準備を進めていく。
これほど難しいことはありませんでした。

クライアントからは、数百人におよぶ外国人スタッフが日本に入国。
仕事の進め方や日常生活まで、あらゆるシーンで行動制限が敷かれました。
それに伴い、外国人スタッフをサポートする通訳者たちも常にフレキシブルな対応を求められました。

無事に成功を収めたイベント

数々の困難を乗り越え、イベントは無事に成功を収めました。
これだけ大きなイベントに携われることは、後にも先にもこれが最後かもしれません。
私たちが加担できたのはほんの一端でしたが、自分たちの仕事とチームワークを誇りに感じることができました。
素晴らしい経験をさせていただいたクライアントと関係者の方々に深く感謝を申し上げます。

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この記事を書いた人

吉田通訳人材事務所代表。50以上のアルバイトとスモールビジネス起業を経て、28歳から通訳者として活動。モットーは「海外ビジネスの円滑化」および「包括的なコミュニケーションサポート」。近年は、社会的に不利な立場にあるフリーランス通訳者の雇用増加、待遇向上、市場価値を高める教育に力を入れている。横浜市と米国ダラスで幼少期を過ごし、主に東京都、北海道、豪州シドニーに在住。2023年よりマルタ共和国在住。

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