なぜ日本でグローバル人材が不足しているのか?

なぜ日本でグローバル人材が不足しているのか

グローバル人材とは、どのような人物を指すのでしょうか。
定義はさまざまですが、以下の通りに簡潔に説明することができます。

「海外ビジネスにおいて、外国人と対等にまたはそれ以上に対応できる人材」です。

この記事の目次

グローバル人材が求められる環境

グローバル人材が求められる環境は、実に多様です。

商社や外資系企業はもちろん、IT・テクノロジー、金融、製造業、観光業など、海外とやり取りのある業種全般でグローバル人材が求められます。
海外赴任や海外出張もありますし、国内で在日外国人と仕事をする機会もあるでしょう。
一般的な国内企業でも、サプライヤーやクライアントが海外にいる場合や、株主やステークホルダーが外国企業であるケースは珍しくありません。

インターネットが発達した現代ではビジネスのグローバル化がますます進み、国内だけでビジネスが完結する業種は少なくなりました。

圧倒的に不足するグローバル人材

日本でグローバル人材の需要は非常に大きいにも関わらず、圧倒的に不足しています。
最新の調査結果によると、国内企業の約70%が「グローバル人材が不足している」と回答しています。※注釈1
また、経営者・役員クラスに限定するとその不足感はさらに深刻で、実に80%がグローバル経営を担う人材が不足しているという状況です。
グローバル人材は量・質ともに不足しており、さらに、多くの企業では、育成方法や目標が明確に定まっていないという課題も見られます。※注釈2

筆者は、通訳者および管理者の立場で海外ビジネスに長く携わり、国内企業と海外企業の橋渡しを務めてきました。
グローバル人材が必要とされる業種の筆頭である、商社や外資系企業のサポートや、国際的イベントに関わってきましたが、そういった現場でもグローバル人材の不足を強く感じました。

日本ビジネスは、しばしば「ガラパゴス」という例えで比喩されます。
「優れた製品を作っているのに海外市場での競争力がない」、「サプライチェーンやパートナーシップが閉鎖的である」といった問題を指しています。
国内の大手企業でも、役員や管理職にグローバル人材が不足していることが影響しているのかもしれません。

グローバル人材に求められる「英語力」と「プレゼン力」

グローバル人材に求められる能力は多岐に渡ります。

リーダーシップ、コミュニケーション能力、異文化に対する理解、問題解決能力、主体性、積極性、倫理観、幅広い教養など、挙げればキリがありません。
これらすべての能力を兼ね備えた人材は非常に稀(まれ)ですし、育成に取り組む際もどこから手をつけるべきか迷ってしまうでしょう。

最優先に取り組むべきは、日本人に最も不足しているスキルである「英語力」と「プレゼン力」の2つです。

「英語力」と「プレゼン力」が育たない日本の教育事情

日本では、「英語力」と「プレゼン力」を育成する環境が圧倒的に不足しています。

日本では依然として英語力が不足している

近年、日本の英語教育は小学校から始まりますが、日本人の英語力はまだ十分ではありません。
英語学校の広告が街中に溢れている現状からも、英語に対して苦手意識を持つ人が多いことが伺えます。

日常会話ができるだけでは、グローバル人材には不十分です。
ビジネスの場において滞りなくコミュニケーションを取れるだけでなく、信頼関係を構築するためには人間的な付き合いも必要でしょう。
社会や文化、経済、宗教、趣味や興味の対象など、プライベートの話になれば、自分の意見や考えを正確に伝えられるだけの高度な語学力が必要です。

日本ではプレゼンの重要性が認識されていない

日本の学校教育では、プレゼンの学習機会が極めて乏しいと言えます。
多くのビジネスパーソンが社会人になってから自己流でなんとかやっている状況で、プレゼンの基礎ができていない役員や管理職も少なくありません。
英語の習得に関しては、日本人は高い意欲を持ち、社会的にもその努力が評価されています。
それに比べて、プレゼンの重要性は日本人に十分に認識されていないように感じます。

プレゼン力は、営業職や管理職に限らずすべてのビジネスパーソンに必須なスキルです。
毎日の朝礼も、上司への報告も、社内の打合せも、報告書の作成も、スピーチも、大きい枠で括(くく)ればすべてプレゼンの一部と言えます。
日本の会議が長く生産性が低いと指摘されるのも、プレゼン力不足が一因でしょう。
プレゼンはビジネスの本質であるといっても過言ではありません。

欧米の教育では、小学校低学年からプレゼンやディスカッションの機会が多く与えられます。
日本でも教育スタイルが徐々に変わりつつありますが、依然として教師の話を一方的に聞く聴講スタイルが根強く残り、インプット重視でアウトプットの機会が少ないのが現状です。

近道は専門的な育成プログラムを依頼すること

このような背景から、日本の一般的な学校教育では、グローバル人材を育てる基盤が十分とは言えません。
それでは、グローバル人材を育成するにはどうすればよいでしょうか。

個々人が自主的にリソースを選んで学習するのは効果的でありません。
インターネット上に優れた学習教材は多く出回っていますが、良し悪しの見極めが難しいという問題があります。

グローバル人材を必要とする企業にとって、最適なアプローチは、専門的な育成プログラムを提供する企業や個人に依頼することです。
特に重要なのは、オーダーメイドのプログラムを組んでもらうことです。
標準化されたレッスンでは汎用的で、結果が出るまでに時間がかかるので、企業の目標やニーズに合わせてカスタマイズされた指導が不可欠です。
プログラムを依頼する際には、あらかじめゴールや目的を明確にし、それに基づいた計画的かつ体系的な指導内容を設計してもらうことが成功のカギとなるでしょう。

日本経済にとっても、国際競争力を高め、低迷する日本経済を牽引(けんいん)するグローバル人材は国の資源となるでしょう。

INTERP合同会社は「グローバル人材育成」を実施しています

INTERP合同会社は、海外ビジネスに長年携わってきた知見と経験を活かし、グローバル人材育成プログラムを提供しています。
グローバル人材に求められるスキルで、日本人に最も不足しているのは「英語力」と「プレゼン力」です。
これらの向上に注力し、クライアントのニーズに合わせたオーダーメイドのプログラムを提供して、海外ビジネスの成功をサポートします。

※注釈1
参考資料:総務省「グローバル人材の確保状況等に関する企業の意識調査」(2024年11月26日取得:https://www.soumu.go.jp/main_content/000496484.pdf)

※注釈2
参考資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「大手企業におけるグローバル経営人材の育成に関する実態調査」(2024年11月26日取得:https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2022/10/cr_180404.pdf)

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この記事を書いた人

INTERP合同会社代表。28歳で通訳者としてのキャリアをスタート。50以上の職歴と複数の小規模事業の起業経験を通じて培った実務力を活かし、通訳にとどまらず、国内外のビジネスシーンで包括的な支援を提供してきました。「海外ビジネスの円滑化」と「関係者全員の利益と成長」を理念に掲げ、近年は人材育成に注力し、日本経済の活性化に微力ながら寄与したいと考えています。横浜市と米国ダラスで幼少期を過ごし、成人後は主に東京都、北海道、豪州シドニーに在住。2023年に家族と共にマルタ共和国に移住。

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